人生100年時代の40代のつぶやき

昭和52年、巳年生まれの40代男性がこれからの人生について考えながら、日々の生活を、より良くするためのアイデアを考えるブログ

スルガ銀行の不適切融資と不動産への投資を考える(1)

 

銀行業界の苦境が続いているなかで、銀行の不適切融資のニュースがでている。

地方銀行業界のなかで優良企業とされていた、スルガ銀行のシェアハウス融資の不正により金融庁が業務停止命令を出した。

今回の事件は何なのか考えていってみたい。

www.nikkei.com

 

(1)不適切融資とは

 今回は投資用の不動産の融資について、投資用不動産を購入しようとする個人の収入を実際よりも多く見せたり、購入する際の借入以外の資金(自分が保有する現預金)を実際に多くみせることで融資を銀行内で通しやすく不正したもの。

 賃貸用のマンションやシェアハウスに投資して、その投資に伴う賃貸料収入で稼ごうとした購入者に対して、銀行は融資をして金利収入を得るが、一定の手持ち資金や収益が見込まれないと融資は通らない。

 これに対して、融資条件が通らない購入者に対して、返済能力の判断となる収入や預金の残高などを改ざんした書類をもとに融資を行い、融資後に購入者が銀行に対して返済ができなくなったため、問題になっている。

(2)投資条件をもとに検討する

 日本では低金利のなかで、預金などに預けるよりも、不動産に投資して、その不動産から得られる収入を得るという方法がある。

 しかし、購入者が全員投資に回すお金を持っているわけではないので、投資するための資金について銀行からの借入で確保しようと考える人がでてくる。

 では、一般例として不動産に投資する場合の条件を考える。 

 3000万円の物件で表面利回り(不動産から入ってくる収入)が10%の物件に投資したいと考える。通常20%の600万円を用意して、銀行から金利3%で20年のローンを組んで投資するという条件で融資の申し込みをしたと仮定した。

購入金額 3,000万円
不動産利回り 10.0%
手持預金 600万円
借入金額 2,400万円
借入期間 20年
借入金利 3.0%

(3) シュミレーション結果

 実際には、支払利息、固定資産税、収益にかかる税金を考えると、手元にのこる手取り収入は半分ぐらいになるが、全額ローンで借りていないことと、20年の長期のローンが組めることが前提ではあるが、毎年120万円の返済を行ってもお金が残る計算になり、このような条件であれば、ローンを申し込んでも、銀行が融資をしてくれることは可能と考えられる。

 しかし、比較的良い状況であると考えた融資条件でも、大きな借入をしたとしても、それほど手元にはお金が残らない構造であることが、シュミレーションをしてみると分かる。

 

  1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目
賃料収入 300万円 300万円 300万円 300万円 300万円 300万円 300万円 300万円 300万円 300万円
支払利息 72万円 68万円 65万円 61万円 58万円 54万円 50万円 47万円 43万円 40万円
固定資産税 29万円 29万円 29万円 29万円 29万円 29万円 29万円 29万円 29万円 29万円
保険料 9万円 9万円 9万円 9万円 9万円 9万円 9万円 9万円 9万円 9万円
税金 35万円 36万円 37万円 38万円 39万円 40万円 41万円 42万円 43万円 44万円
手取り収入 156万円 158万円 161万円 163万円 166万円 168万円 171万円 173万円 176万円 178万円
  1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目
期首預金 0万円 36万円 74万円 114万円 157万円 203万円 251万円 301万円 355万円 410万円
返済金 120万円 120万円 120万円 120万円 120万円 120万円 120万円 120万円 120万円 120万円
繰越預金 36万円 74万円 114万円 157万円 203万円 251万円 301万円 355万円 410万円 468万円