1.いちごグリーンインフラ投資法人の分配金について
いちごグリーンインフラ投資はインフラファンドのなかで唯一の1年決算の法人
2018年6月期の分配金は4,226円
株価が64,400円で計算すると、表面利回りは6.56%であり、かなり高い
利回りを確保している。
分配金の内訳は利益分配金と超過利益分配金である。
期初予想が3,590円に対して、期初予想に対して+636円となっているが、
発電量が期初予想を上回ったことが上振れ要因となる。
1口当たり 分配金合計 | ||
利益分配金 | 利益超過分配金 | |
4,226円 | 2,046円 | 2,180円 |
2.利益分配金と超過利益分配金とは
利益分配金は投資法人に収益からの分配金になるため、通常の配当と同様に所得税が
課税されている。
一方で、利益超過分配金は減価償却費用などのキャッシュが外部に出ない費用を原資
にして、投資家に分配するもので、税法上は資本の払い戻し(投資した元金部分につ
いて返済を受けている)とみなされ、所得税がかからない。
いちごグリーンインフラ投資法人と他の3法人の分配金の内訳を比較すると、いちご
インフラ投資法人の分配金に占める超過利益分配金の比率が51%と最も高くなって
おり、分配金にかかる税金負担が最も軽くなっている。
投資法人名 | 1口当たり 分配金合計 | ||
利益分配金 | 利益超過分配金 | ||
いちごグリーンインフラ投資法人 | 4,226円 | 2,046円 | 2,180円 |
タカラレーベンインフラ投資法人 | 4,440円 | 3,976円 | 464円 |
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人 | 3,249円 | 1,917円 | 1,332円 |
カナディアンソーラーインフラ投資法人 | 2,350円 | 1,542円 | 808円 |
3.利益超過分配金を生む原資について
REITなどで利益を原資としない配当についてはたこ足配当(お腹を空かせたタコが
自分の足をたべる様になぞらえて、長続きしない配当)とみなされているが、イン
フラファンドの場合は、資産を売却したり、手持ち資金を取り崩して配当を行って
いるのではなく、減価償却費(キャッシュフロー)を原資にしている。
固定価格買取制度の持続可能性の問題はあるが、長期に持続は可能であることが予想
できる。
いちごグリーンインフラ投資法人では長期の分配金予想を公開しており、長期間の
分配金維持可能性はあるとみられる。